植物ホルモンを利用した剪定
2018年11月14日 22時25分
枝の切り方ですが水平に伸ばして行こうと立枝切りますね。
この考えは捨てましょう。
上側を切ると切り口に水があたり乾かない→腐る→水がどんどん溜まるのサイクルになってしまいます。
細いうちに処理できるものなら良いのですが太くなり始めると成長の勢いが逆転してしまいます。
それは枝の表面を見るだけでもわかると思います。
太くなった立枝は幹と同じようになってしまいます。
それを切ってしまうと木にとっては大ダメージですし残しておくと幹が何本にも増えて剪定が大変になってしまいます。
ではどうするかというと樹木自身になんとかしてもらいます。
科学的に言うとホルモンの関係です。
オーキシン
ジベレリン
サイトカイニン
という名のホルモンなんかが関係してきますが難しくなってしまうのでここでは実際の剪定のみの説明をさせていただきます。
難しい理屈ではなく毎年の剪定で実験してみることをおすすめします。
新しい発見もありますし確実に身につきます。
私も毎年発見があり試行錯誤です。
とにかく枝の下側を切る事によって植物ホルモンが作用して画像のようになります。
果実の付きも変わります。
幹が斜めに伸びてそこから出た枝が水平に伸びて成長して重くなり度重なる剪定で弱っていました。切るポイントが幹の部分になってしまいましたが下方向を向いているので見事に癒合してますね。
下側ばかり切って立枝を残しておくと枝が幹や周りの枝に交差してしまうと思われます。
基本はそうなる前の細いうちに剪定することが大事だと言われます。
ただ、それを繰り返していると枝の重みや切り口からの病気などで枝が弱ってしまう。
そのようなときに枝を更新して元気な枝に替えるという考えで良いと思います。
斜め方向に伸びた残すべき枝があればその下側を切れば良いです。
でも切り口を下側に剪定するのに伸ばす良い枝がない場合はどうしましょうか?
仕方なく立枝を残す場合は下側の任意の場所にノコ目を数ヶ所入れて、寝かせ、ロープで結びます。
切り口にセルパラテープという保護テープを巻きます(樹木が元気なら巻かないかも)。
下の絵ですと、黄色の部分で切って、紫色の切れ目を入れて枝を赤線の方向に引っ張って固定します。
こんな処理をすると自由自在に伸ばせます。
面白いと思いませんか?
木の種類によってうまくいかない時もありますが太くなる前に行えばかなりの確率でできますよ。
ただ実際には枝の重みや果実の重みで向きが変わって行くので切り口は減らすことを考えて長い目で優しく剪定してあげてください。