学校施設管理のDIY

学校施設管理に20年以上従事してきた学校用務員によるかんたんDIY術の紹介です。

お金がかからないように修繕する

最近は予算削減で修繕費などはあまり多くはないですね。
裏ワザを駆使しつつ、廃材利用などで材料費を抑えながら頑張りましょう。

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モルタル剥がれなどの左官修理

2019年09月11日 20時41分

古い校舎や敷地内の階段、水道メーターなどの升、コンクリートの土留め、塀などは経年劣化のために割れていてそのまま放置すると中の鉄骨に雨水が侵入しいわゆる鉄筋爆裂が起きて、どんどんひどい状態になっていってしまいます。
初期段階のモルタルが剥がれ落ちてしまった状態の時に簡単に修理します。

汚い絵ですけど階段などはこんな感じになってると思います。
コンクリートの層とモルタルの層とが剥がれ落ちてしまい雨水の侵入により更に剥離が進みます。
モルタルを練って左官修理をします。
普通に左官屋さんが行うように直接塗り固められる技術があれば良いですが練具合がイマイチで横面は下側が膨らみ気味になってしまったり、角がうまく作れなかったり他にも子供が踏んづけたり。
そこで住宅の基礎造りで型枠を使うのにヒントを得て簡単な方法を考えました。

赤線の部分にモルタルが流れないように型枠をはめれば良いわけです。
モルタルが流れないのなら緩く練れるので流し込んでしまえば良いのです。

いつも使うのは版画の見本品の板を取っておいて左官に使います。
板の四隅(大きさにより追加)に穴を空けます。
その穴の部分にコンクリドリルで穴を空けます。
ノンプラグのコンクリビスで板を留めます。

こんな風に出来上がると思いますので欠けた部分によく水を染み込ませます。

そこにモルタルを充填します。
板の下の方にまんべんなくモルタルが充填されるように細い棒などで突きながら満たしてください。

いきなり乾かすと割れてしまいますので、新聞紙などを濡して被せておきましょう。
乾燥時間はいつも濡れた新聞紙を厚めに置いてシートをかけてカラーコーンなどを上に乗せたまま忘れて放置が多いので皆さんでチェックしながら乾燥させてください。
乾燥したらコンクリビスを脱いて板を取り外します。
板が外れにくい場合はハンマーなどで軽く叩けばきれいに剥がれます。

水道メーターの升を修理した時のものです。
どこが割れていたのかわからないくらい放置してました。
ハメっぱなしの枠は腐ってきています。
鉄板をのせるので良しとしてます。

ちなみに側溝や小さな升などの場合はコンクリビスを打つ必要もなく垂木を数本、側溝や升にギリギリに入るくらいにカットして板を押し付けるようにはめることで型枠になります。


お試しください。




 

サッシの鍵や滑車の修理を簡単に済ます方法

2019年06月14日 04時14分

昇降口や教室のドア、窓などはアルミサッシが多いですね。
軽くて管理もしやすいのでいいのですが、児童の強烈な開閉やイタズラで簡単に壊れてしまいます。
鍵や滑車の​部品を交換したりすれば直りますが放課後に修理を依頼されて部品の調達や作業時間を考えてみるとその日の施錠ができなくなって防犯上良くありません。
よくある修理依頼の私流の簡単な方法を説明します。

昇降口の戸締まりの際に鍵がかからないorかかりづらい

昇降口ドア
このようなサッシの昇降口のドアですが鍵のかかりがすぐにズレてしまいます。
当番の先生が戸締まりに回っている最中なので依頼される時間は勤務時間終了間近です。
残業はしたくないです。
ドアを外して鍵のシリンダーをチェックしてなんてやっているとすぐに日が暮れてしまうのでかんたんにチェックします。
ドアを閉めた状態でピタリと揃わずに隙間が空いているのはドアが垂直になっていない状態です。
ピタリと揃っていればシリンダーがズレてるだけの場合がほとんどです。
内側のサッシに固定するためのネジを緩めます。
二箇所のネジ
上下2つのネジです。


緩めるだけです。
緩めると鍵全体が動くようになるので鍵の開閉をしながらスムーズに開閉できる場所を探してその位置で固定ネジを締めます。

鍵の調節

緩めすぎずにカタカタ言わないぐらいの隙間で調節すると良いと思います。
緩めるときは電動ドライバーやインパクトでやってしまいますがアルミネジの伸びの感覚がわからなければ最後の締めは手回しで締めたほうが良いと思います。
簡単に舐めてしまいますので。

閉めたときにドアに隙間が空いているor明らかに高さがずれている場合

この場合はドアの滑車の調整をしなければいけません。
調整ですがドアの下の方に調整用の穴が空いていてプラスドライバーを回して調整できるようになっていますけども滑車の不具合がある場合ほとんどが調整不能です。
寝転んで下にあるネジを回して試してみるのも時間の無駄なのでドアを外してしまいます。
めんどくさそうですが慣れると簡単です。
まずはドアストッパーがあればドアストッパーを緩めます。
画像がないですが上に外れドメがあると思います。
ネジを緩めて下に降ろします。
​ドアを持ち上げながら下側を手前に引いて外します。

外したら作業がしやすいように横に寝かせます。

こんなふうにゴム止めしてあることがあるので緩めます。
ゴムを上側にズラします。

暗くて中が見えませんがサッシを組んでるネジと調整ネジ用の穴が出てきます。

ドライバーを刺している箇所から調整ネジを回せるはずなんですが…。
画像でもよく見るとわかりますが滑車がズレています。
この時の原因は車が調整用の軸から外れていました。

赤丸の部分に引っかかるポッチがあるんですけどどこかに行ってしまっています。
こんなふうになっていることがほとんどなのでドアがズレてると解ったらすぐにドアを外しましょう。
滑車の外し方は滑車が止めているネジを外します。
一つの場合も2つの場合もあります。
外したらバールかドライバーなどで枠を少し開きます。

マイナスドライバーなどを使ってズラしながら外します。
滑車の外し方
外れました。
調整枠から完全に外れていますね。
正常な状態の滑車
これが正常の状態の滑車です。
調整ネジを緩めてマイナスドライバーなどでこじってこの状態に戻します。
逆の手順でドアにはめて調節ネジを回して滑車の出具合を揃えます。
ドアをもとに戻してドアの並びと隙間がないか確認して良ければ最初に説明した方法でシリンダーを調節して軽く鍵が開閉出来るようにします。
慣れるとあっと言う間の作業です。
かなり頻繁に起こる修理依頼なので是非とも簡単に出来るようにして下さい。

サッシなどの作業に便利な持ち物

  • ネジ入れ
外したネジなどを無くさないようにするためにステンレス皿などで受けますが丁度いいコップなどがあると良いですよ。
ネジ入れ
取っ手の下側が開いているコップでもカップでもなんでも良いです。
便利なネジ入れ使い方

ベルトに掛けて出し入れ簡単です。
脚立にのっての作業でもとても便利です。

  • ピンセット大サイズ

サッシの隙間などにすぐにネジを落としてしまいます。
あると便利なのがピンセットの特大サイズ。

意外と隙間に入ったネジは取りにくいんですよ。
ドアをヒックリ返したりしなくても大丈夫。

必需品になってしまいました。
理科の先生に借りようと声をかけるとほとんどの確率でもらえます。
是非とももらっておきましょう。

 

鉄の扉の修理

2019年04月23日 21時09分

学校の昇降口はアルミサッシが多くなってきましたが倉庫などでは意外と多いのが鉄の開き扉ですね。

重いのなんのって考えただけで「用務員じゃ修理できないっす!」ってなってませんか?

こんなタイプのドアです。
頑丈そうですよね?
そーです凄い頑丈なんです。
修理と言っても経験上3パターンくらいですかね。
  1. 鍵穴のトラブル
  2. 上部のレールの歪みや滑車の調節ネジが緩んで下を擦ってしまっている。
  3. 下のはずれ止めのネジが緩んで落ちて擦っている。

鍵穴のトラブル

いたずらで何かを詰められていないかを見ます。
ゴミや砂がかんでいることもあります。
分解清掃して給油してほぼ解決です。
鍵の分解はタイプによって違うので説明が難しいですけど最近ではメーカーがWeb上で公開してる事が多いので検索してくださればスマホで確認しながらできます。

 

滑車の調節ネジの調整

古いレール(鉄骨)などでは長い年月の重みで下に歪んでくることもあります。
調整の仕方を説明します。
カバーを外しています。

カバーを外します。
新しい施工はみんなドリルビスですね。
はめるときにズレていても打てちゃうので穴の広がりに注意しましょう。(大きいサイズ入れればいいんですけど)

カバーが外れました
外れてレール部分が見えます。
カバーはとても重いので慎重におろしてください。

これが調節ネジ部分です。
この上部に滑車やローラーがついてます。
わかりやすいように図にします。

固定されているロックナットを緩めます。

ロックナットを緩めました。

次はネジの部分にスパナを噛ませる平になっている部分があるのでそれにスパナを噛ませて回します。

時計回りに回せば持ち上がってきます。
図では滑車が上下すると書いてますが正確にはドアが上下します。
そのままでも調整はできますがドアが重くて回すのが大変だと思います。
私のやり方は下にバールを噛ませます。

バールの平たい方を挿します。

バールを軽く踏んで持ち上げます。
持ち上がったらかんたんに調節ネジが回ると思います。

位置が変わったでしょうか?
あとはロックナットを締めて調整できました。
もう片方も同じように調節してドアを開け閉めして確認してください。
カバーを戻して調整終了です。

下部外れ止めの調整

下の部分の溝に外れ止めのローラーが付いていてそのネジが緩んで下を擦っていることがあります。
ローラーとネジの回る回転が同じ方向なのでロックナットがきちんと締められてないとゆるんでいきます。
これは結構厄介なものです。
専門の業者にお願いするとドアを外したりして大がかりになるようです。
私のやり方は少し乱暴ですけど金も時間もかかりません。

見ての通り下を引きずっていますがローラーはほとんど見えません。
図にします。
下部ローラー
ネジのシャフトにローラーがあるのでシャフトを時計回りにまわしてねじ込んだらロックナットを締めます。
しかし隙間がないのでシャフトを回せません。
そこで裏ワザ!
瞬間接着剤

瞬間接着剤です。
シャフトが下に当たっているのでロックナットは下の方に緩めることができます。
薄いレンチ
薄いレンチかスパナでロックナットを上から見て時計回りにまわします。
ある程度緩めたら瞬間接着剤をロックナットとシャフトの間に流し込みます。
瞬間接着剤を注入
シャフトとロックナットを接着したら緩めたロックナットを締めます。
シャフトとロックナットがくっついているので締めるとシャフトが持ち上がります。
下が擦れなくなりました。
瞬間接着剤で大きいサイズのボルト・ナットならこんな風に供廻りをさせないでロックできます。
かんたんに緩めることもできますよ。
是非挑戦してみてください。

棚板の設置

2019年04月11日 22時18分


よくある棚なんですけども収納するものによって高さが合わなくてすっきりしないことがあります。

一応、位置を変えられるようになってますけど気に入らないので棚の高さを変えられないか相談されることは多いです。
棚板を増設する場合などの設置方法です。
もちろん棚を制作する際にも同じやり方が良いと思います。
まずは材料を揃えます。
粗大ゴミでよく出ますPCデスクの天板だけをとっておきます。

棚板にピッタリです。
あとは棚板用の金物ですね。
これは格安で売っています。

棚板が乗る部分と埋め込む部分のセットです。
金具を設置するのに使う道具はドリルとハンマーくらいですかね。
天板を切り出します。

流石に化粧が厚いです。
いきなりノコを入れずにカッターナイフでけがきます。

どうも寸法を図ったりが苦手でいつも横着をします。
重ねて。

いきなりガリガリっといっちゃいます。

あとは電ノコでスパッといっちゃいます。

まあ、いいすかね。

鉋をかけてヤスリできれいにします。


続いて金具に載せる部分の溝を掘ります。
マークをつけますが、こいつも現物合わせです。

だいたい合ってます。
もとの造りも余裕を持って開けてあるみたいなので、失敗したことはないです。
加工は彫刻刀で彫っちゃいます。

これだけは綺麗にできませんが裏で見えないので勘弁してもらいます。

合格ライン?
あとは金具の埋め込みです。
位置を合わせたらドリルで説明図どうりに開けます。

これの位置合わせはきちんと図りましょう。
深さをきちんと出せるドリル刃がなかったら浅めに掘ってハンマーで叩けば大体がピッタリ収まります。

化粧ボードの中はチップなので、うまく潰れてくれます。
金具を挿入します。



ネジの部分を入れて棚板をのせます。


完成です。


画像はゴチャゴチャですが3枚ほど増設しました。
こんなに適当な作業ですけど見た目はとてもきれいに仕上がります。
便利なものがありますね。
ぜひ覚えてください。
あらゆる隙間に棚作りができます。


防球ネットの補修

2019年01月21日 22時27分

防球ネットは古くなってきて破けるだけじゃなくて、刃物で切られたり、ライターで溶かされたりのイタズラも多いですよね。

早いうちに直さないと、ドンドン破れていってしまいます。

穴の大きさのネットを張って縫う方が多いのではないでしょうか?

ネットを穴の大きさに合わせて縫う方法は、私も手軽だと思っていました。

でもネット自体を用意する必要がありますし、いつの間にかズレていたということが多くて手間がかかりました。

やはり、補修用のロープと網針のみで縫っていくやり方を覚えてしまうのが最良だと思います。

結び方は蛙股結びという結び方です。

絵のような結び方でネットに合わせてジグザグに縫っていきます。

結び目がわかりやすいようにしていますが実際には斜めに縫うかんじです。
 

まずは、ネットや網を編むための網針(あばり)という道具の準備です。
補修用のロープといっしょに買うことができるとおもいます。

画像ではわかりにくかったので絵で説明します。(汚くてスミマセン)


最初の引っ掛けるところです。

真ん中に引っ掛けて下側の溝にかけて反対側にまわします。

同じように真ん中にかけて下側から反対側にまわします。

繰り返していきます。

どんどん繰り返して真ん中にかけられなくなるくらいまで進めます。

はい、出来ました。

こんな道具も作っておきます。
結ぶときに長さを調節するためのものです。
無くても良いですが、キレイに合わせるにはあると便利です。
大体の方が自作してます。
私のはアルミ線で適当に作りました。
それでは縫っていきます。

大きな穴でも、順番に結ぶだけなので、なれると難しくないと思います。

縫いやすいように余計な部分はカットします。
初めはイメージしにくいと思いますので縫ったあとに重なった部分をカットするのもありです。

端を結びます。

結び始めはどのようなむすびかたでもかまいません。
私は蛙股です。

結び目が小さければ問題ないです。

一段目はフックで長さを合わせながら

編んでいきます。

一段目を編みました。
こんな感じになります。

二段目は上下をつなげて編んでいきます。
すべて蛙股結びです。

 

すべての網に応用出来ます。

釣り用のタモでも投網でも直せるようになりますよ。
 

ぜひ覚えてください。